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こんばんは、モバ(@yubile)です。
PQIのAir Cardと、
加賀ハイテックのTAXAN MeoBank SD
という、目的の被りそうなアイテムを同時に注文しちゃいました。届いたらレビューを書くつもりです。
さて、今日のネタは電子書籍サービスBookLive!の専用端末「Lideo(リディオ)」です。Sony Reader(PRS-650)、楽天Kobo touch、Amazon Kindle Paperwhite 3Gと来て電子ペーパー4台目、電子書籍端末という意味ではSH-07Cもあるので5台目です。iPadとNexus 7とSony Tablet Pだって電子書籍を読むのに使ってます。いやはや。iPad miniを買ってアプリ使い分けた方がよっぽどラクじゃねえの? とか自分に囁きたくなります。
そんなLideoですが、先に結論を言っちゃいますと「WiMAXで本を買うの意外と快適」「凸版明朝&ゴシックが割と綺麗」「足りないものは解像度とフロントライトとまともな同期機能」「BookLive!&Lideoしか使わないならアリかな」「自炊派の方は選択肢たり得ません」といったところ。
では行ってみましょう。なお、前述の他サービスや端末との細かい比較についてはInternet Watchのこちらの記事をどうぞ。
Lideoハードウェアと初期セットアップについて
Lideoは「読書好きだが電子機器やインターネットには疎い」という層に向けて作られた端末だ。
だからボタン類は「本棚」「書店」「メニュー」「戻る」「文字」そして「電源」と、すべてに日本語表記がしてあったり、“利用を開始するにあたってBookLive!のウェブサービスのアカウントなどは不要で、Lideoの電源投入後に誕生日、性別、パスワードを設定するだけで初期設定が完了する。メールアドレスさえも登録する必要がない”(“インターネット要らず”の電子書籍端末「BookLive!Reader Lideo」発売 -INTERNET Watchより)のが特長だ。
ぼくの場合はもともとiPadとNexus 7でBookLiveを利用していたので、そのアカウントを入力してアクティベーションした。この場合、BookLiveに登録した他の端末としおりや本棚の同期ができるし(ただし後述するが残念な同期機能だ)、登録済みのクレジットカードで決済ができるようになる。ちなみにクレジットカードがなくても使えるよう、プリペイドカードの販売も始まったようだ。
初期セットアップについては、言うだけあって迷わず進むことができた。KindleやKoboのように無線LAN設定は初期セットアップでは要求されない。WiMAXがあるからさほど必要ないというのもあるし、やはりターゲット層の関係でそういうことをさせないようにしているのだろう。
ハードウェアとしては、WiMAXを搭載している割には手持ちの他の端末とあまり変わらないサイズなのが良い。Kindle Paperwhite用のケース(Timbuk2 フリップスタージャケットカバー)もそのまま使えた。
ただ、Kindle Paperwhiteの解像度とフロントライトに慣れてしまうとやはりショボい。スペックアップしたところでターゲット層のユーザーを惑わせる機能ではないと思うので、次期モデルではぜひ何とかして欲しい。
本棚、ビューア、ストア、同期について
本棚やストアでタッチする画面上のボタンや項目名なども、本体ボタンと同じく日本語を多用し、しかも大きめのフォントで作られている。可能な限り見やすく分かりやすくしようという意図が感じられる。検索ワードを入力するキーボードも五十音タイプになっているのはなかなか徹底している。
書籍ビューアについては、凸版明朝&ゴシックが綺麗だ。紙の書籍でもよく見かけるフォントなので安心感がある。文字サイズが5段階しかないのはちょっと少ないか。採用している電子ペーパーの解像度を考えるとあまり増やせないのかもしれないが。
ページめくりはハードウェアボタンがないため、スワイプもしくはタップで行う。いちばん長く使っているPRS-650のページめくりボタンに慣れているせいで、実は割とボタンが欲しかったりするのだが、ないものはしょうがない。このあたりは好みや設計思想の問題だろう。
電子ペーパーに付き物のリフレッシュ間隔は設定などができないようだが、個人的には毎回リフレッシュだろうとぜんぜん気にしていないので省略する。ちなみに電子ペーパーとは関係ない、機器としての操作に対する反応はPRS-650よりはずいぶん速い。それでもKindleに比べると遅いが。
ストアは本棚と同じく大きめなフォントで表示されるため、サムネイル状態だと文字数が少なくて本のタイトルが分かりにくいのがちょっと残念。ただ、Kindleにはない「シリーズまとめ買い」があるのは便利だ。
購入時は1-clickとは行かずパスワード入力を求められる(入力後しばらくは記憶されているようだが)。Kindleに比べてまどろっこしい気はするものの、「慣れていない人」を相手にするのなら毎回パスワードを求めるぐらいは仕方ないところか。
さて、実はLideoについていちばん期待していたのは「同期」だった。というのはKindleで(何度も引き合いに出して申し訳ない)読み進めたところを同期してくれる機能が非常に便利だったからだ。
ところが、実は同期できるかどうかは本によるらしいと分かってガッカリした。たとえば「氷菓」(原作小説)のページを見ると、「※こちらの作品は、Android端末及びLideo端末と、他のOS端末の間でしおり同期ができません」という但し書きが付いている。検証していないのだが、iOSデバイス同士、あるいはAndroidデバイス同士、Lideo同士などであればたぶん同期できるのだろう。
……だが正直、これに関してはかなり意味が分からない。そもそもこの手の同期は「デバイスが違っても続きから読める」ということこそが売りなのであって、OSが違うから同期できませんというのはあまりに無責任ではなかろうか。
いちおうフォローしておくと、単一デバイスしか使わない人には何の問題もない。そしてLideoのターゲット層はそんな人だと思われるのであまり問題にもならないのかもしれない。
その他の気づいたことなど
ACアダプタがNECアクセステクニカのWiMAXモバイルルータAterm WM3600Rの付属品と同じ(端子、アダプタ形状、定格に至るまで丸ごと)ものだった。Lideoの本体はNEC製造なので不思議ではないのだが。
外部端子としてmicroUSBを備えるが、PCに接続してもストレージとして認識されず充電のみ行われる。よって自炊にはまったく使えないので注意。microSDにも非対応なので容量的にも自炊に使うのは難しい。
WiMAXはコミックを買うにも十分なスピードなので、無線LANを設定する必要を余り感じない。
検索画面でキーワードを入力する時、ネットワークで変換候補を探して予測変換しているようだ。入力を始めると著者名などがずらりと並ぶ。書籍検索に特化したIMEとでもいえばいいのだろうか。
スリープすると書店のお勧め本(ちなみに今は横山秀夫「64」だ)が表示され、電源ボタンを押してスリープを解除する代わりに、書店ボタンを長押しして購入画面に飛ぶこともできる。
まとめ
最初にもう結論を述べてしまったが、
(1)既に何台もデバイスを持っている、あるいはiPadなどでBookLiveを利用している、という人がわざわざ買うようなものではない。
(2)「裁断機とスキャナ持ってるし買った本は片っ端から刻んでスキャンします!」なんていう自炊派は検討する必要すらない。
(3)「電子書籍にちょっと興味はあるが電子機器は苦手でiPadやiPhoneなんかも持ってないし、インターネットもあんまり使えない」という人にはまあまあお勧めできる。
BookLive!は競合に比べて書籍数が多い(らしい)ので、解像度アップ&フロントライト搭載&同期機能改善が成し遂げられたなら、トータルでかなりお勧めな端末になるのだが。