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こんにちは、モバ(@yubile)です。今日のネタは最近リリースされたiOS版「GALAPAGOS」。何かと不安のささやかれるシャープが提供する電子書籍サービス「GALAPAGOS」のアプリです。GALAPAGOS STOREはSH-07Cで雑誌や新聞の定期購読に利用しており、iPadでそれらの雑誌が読めるのは非常にありがたいのですが、不安材料も……。
なお、ぼくは1株だけですがシャープの株を持っています。
GALAPAGOSは、2010年にイベントで見て気になる存在ではあったものの、いくつか記事を書いて(コレとか、コレとか)結局その時点では価格に見合ったものが得られるとは思えず、Sony Readerを選んだ。
その後ヤフオクで「ブックリーダー SH-07C」というGALAPAGOSメディアタブレットの”亜種”を手に入れて、雑誌や新聞の定期購読に使っている。”亜種”とモンハンじみたことを書いたのは、SH-07Cが対応する二つのストアのうち、シャープ運営のGALAPAGOSが
OSのアップデートができない→ストア&ビューアアプリのアップデートができない→ストアの本の一部に非対応
というあまりにも悲しい状況ゆえだ(本家のGALAPAGOSメディアタブレットはアップデートにより普通のAndroidタブレットになっているため、アプリも自由が利く)。
まあ、もう一つのストア&ビューア「honto」は今のところ問題なく使えるし、手持ちのXMDFファイルを読むことも可能なので全く使い途が無いわけではないのだが、どちらの用途でも重さを我慢してiPadを使う方が結局快適だったりする。
そんなわけでぼくのGALAPAGOS(とSH-07C)に対するスタンスは「いまいち歯車が噛み合わない」だったのだが、iOS版が出たというニュースを見てさっそく使ってみることにした。
電子書籍 GALAPAGOS 1.0.0(無料)
カテゴリ: ブック, エンターテインメント
現在の価格: 無料(サイズ: 22.6 MB)
販売元: Sharp Corporation – Sharp Corporation
リリース日: 2012/08/08
現在のバージョンの評価: (39件の評価)
全てのバージョンの評価: (39件の評価)
iPhone/iPadの両方に対応
すでにGALAPAGOS STOREを使っていたので、会員IDとパスワードを入力すれば購入履歴がすぐ現れる。ただし端末登録が3台までなので、Androidスマートフォン+Androidタブレット+iPhone+iPad、というようなことはできない。
個人的には購入履歴も欲しいのもほぼ雑誌なのでスマートフォンでは読まないと割り切ってSH-07Cのみ登録していたし、iPhoneを登録するつもりもないのでこれで十分ではあるのだが、せめて5台ぐらいは枠があるべきだ。
購入済みの本は、履歴から選んで「取り出す」をタップすればダウンロード開始。複数選択しての一括ダウンロードも可能。ただし雑誌などは1冊200MB〜400MBも珍しくないため、割と時間が掛かる。バックグラウンドでのダウンロードには対応していないようだ。この点はiOSの制限だから仕方ないのだが、バックグラウンドでいつの間にか受信できるメディアタブレットやSH-07Cの方が便利ではある。
表示のクオリティだが、Retinaディスプレイを睨んで雑誌などの高解像度化を行っているらしくなかなかキレイだ。動作速度も新しいiPadの処理能力もあるだろうが思っていたよりはキビキビしていて、バージョン1.0としては悪くない。
ただ、小説などのテキストを読もうとすると困ったことが出てきた。
紀伊國屋KinoppyやBookLiveが独自フォントを使うのとは対照的に、GALAPAGOSはiOS内蔵のヒラギノフォントを利用して表示する。これはまあ別に問題ない(できれば独自フォントを用意してくれた方が雰囲気が出て良いとは思うが)。
問題はそこではない。以前Google+に投稿したものを見ていただきたいのだが、長音記号「ー」が明らかにおかしい。プログラミングはよく分からないので単なる推測だが、横書きフォントを縦書き表示するのに反転のしかたを間違えているような漢字だ。
この点についてシャープに問い合わせてみたところ、問題は認識していて修正中とのことなので、いずれは解決するはずだ。
ただ、Zaurus時代からブンコビューアなどの縦書き表示可能なアプリを作ってきたシャープが、これほど分かりやすいミスを見逃してリリースしてしまったという事実に、GALAPAGOSひいてはシャープそのものへの不安をちょっとかき立てられてしまうのではあるが……。
長音記号の問題よりさらに気になる点は「GALAPAGOS STOREはちゃんと存続するのか」ということだ。
シャープの経営危機が叫ばれている中、傍目には大成功と言いがたい電子書籍事業をいつまで続けるのか、あるいは続けられるのか。
DRMなしのXMDF/ePUB/PDFなどでダウンロードできる電子書籍販売サイトはともかく、閲覧可能台数を制限してきちんと管理しているGALAPAGOSのようなケースでは、事業を畳んでしまった時点で今まで買った本が読めなくなる可能性は高い。買った時点で使っていたデバイスでは読めても、将来の買い換えに対応できないだろう。
そうなると「果たしてここで買って良いのか?」というためらいがどうしても生じる。この点に関してはKinoppyであれBookLiveであれBookWalkerであれ問題の根っこはいっしょなのだが、GALAPAGOSは出版社や書店ではない企業が運営していることが決定的に異なる。
不安を煽りたいわけではないのだが、せっかくのiOSアプリをいまいち活用する気になれないのが正直なところだ。
今、ぼくはいつ読めなくなってもさほど惜しくない雑誌しか定期購読していない。その他の書籍はまずパピレスでXMDFがないか探し、なければKinoppyかBookLive、ジャンルによってはBookWalkerで買う。面倒なのでこれ以上は手を広げる気はあまりない。
そんな流れがいちおう安定しつつはあるが、たぶん現在の電子書籍はまだまだ過渡期なので、撤退だの統廃合だのは十分にあり得ると考えている。あるいはAppleの基準と揉めてストアがiOS非対応になるかもしれない(正直、電子書籍と最も相性の良いコンテンツはAppleが嫌がるエロ系だろう。こっそり買えることは大きな利点だし、いわゆるガラケー向け電子コミックはエロ系が圧倒的に強いと聞いたことがある)。
結局は紙の本を買って自炊するのがもっとも確実かつあらゆる本を手に入れられる方法なことに変わりなく、「非自炊」をつらぬくのにはまだまだ覚悟、というより諦めが必要だ。