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貯金して高額なイヤホンヘッドホンを1本買うより、手ごろな価格のものを何本か買う方が変化が楽しめて好きだ。まあ、高級なヘッドホンはプレイヤーやアンプもそれなりに整える必要があるから手が出しにくいという理由の方が大きいのだが。
そんなわけで、ここ1~2年は5000円~1万円程度のものを衝動買いしている。今回はオーディオテクニカのカナル型イヤホン”ATH-CKM500″ブラックを買ってみた。4980円。ネットショップなどでは4000円程度のところもあり、出たばかりにしてはそこそこ値下がりしている。
ちなみにiPhone用リモコンモデルなどもあるが、今回買ったのはそういうものがついていない素のタイプだ。
・外観、取り回しなど
コードはY字タイプで0.6m、付属品は装着済みのものも含めて4サイズのイヤーピース、ポーチ、延長コード(0.6m)。ジャックはストレート型。
カラバリは6色、ハウジングは金属っぽい見た目だが触ってみるとそうではなさそうだ。中身には真鍮削りだしのパーツが使われているとのことだが、特に重たいなどということはない。
コードの長さは最近のiPod nanoやshuffle、あるいはBluetoothオーディオレシーバなどにちょうどいい。オーテクが出しているスマートフォン用リモコン付き延長アダプタ(AT-337iSなど)と組み合わせるのにもぴったりだ。
ただ個人的な好みを言えば、外した時にそのままブラブラさせるには長いし、0.6mという長さは無理やり首の後ろに回して使うにはちょっと短い。できれば分岐はU字タイプの方が嬉しいところ。でなければ、ポーチよりもコードクリップなどを付けて欲しい。
イヤーピースは、ソニーのハイブリッドイヤーピースと比べて外側が柔らかく、中心部は厚みがあって堅めだ。好みや個人差によるところが大きいが、普通に使う分には特に問題を感じない。
装着感は「着けてることを忘れる!」なんてレベルにはないが、特に着けにくいこともなければポロポロ落ちたりもしない。
さすが老舗の定番モデルというべきか、分岐の件以外は特に文句もなく無難だ。
・音について
オーテクについては高級機をいくつか試聴した以外では、手持ちに密閉型オーバーヘッドタイプのA500とカナル型のCK7があるのみだ。そして、手持ちの機種からCKM500も中高音に強い、いわゆるシャリ系だと想像していた。
ところが実際に聴いてみたらぜんぜんそんなことはなく、むしろ「ドンシャリのドン強め」と言っても良いぐらい低音域が出ている。
この価格帯のイヤホンはiPodやウォークマンの付属品から最初にステップアップさせる狙いがあり、恐らくそれを想定したチューニング(外付けアンプなしにそれなりの低音を出す、など)がされているのだろう。
ただし、低音域を売りにしている同価格帯のビクターHA-FX3XやソニーMDR-XB41とはちょっと違う、いわゆる「タイトな低音」だ。場合によっては、低音だけが目立つという印象になるし、もう少し中音域が主張してくれる方が好みなのだが、これはこれで悪くないバランスだと感じる。
サ行などが耳に刺さる感じも少ないが、低音が好きでない人は聴き疲れするかもしれない。女性よりも男性ヴォーカル、しかもロックなどの激しい曲が向いていると思う。
遮音性についてはやや高め、音漏れは普通に使っていれば問題ないようなので、電車で使っても大丈夫だろう。コードのタッチノイズはやや大きい。個人的にはタッチノイズが酷いと言われるER-4Sでもまったく気にならないので問題ないが、気にする方は試聴してみるべきだ(このクラスの安いイヤホンを試聴させてくれる店があるのか微妙だが……)。
・まとめ
良い点:タイトな低音&悪くないバランス、無難な装着感
気になる点:分岐がY字、タッチノイズ
価格的にも音質的にも、素のiPodとの相性が良さそうだ(ウォークマンでも良いが、最近のモデルだとノイズキャンセリングとの二者択一になってしまうので悩ましいかもしれない)。
個人的にPortaPro的中毒性すら感じるHA-FX3Xは別格だが、これはこれでかなり気に入った。もし「5000円前後のお勧めイヤホンは?」と訊ねられたら、必ず選択肢の一つとして提案するだろう。