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Microsoft Designerでブログのワンポイント画像を作ってみた。

iOSで使える音楽ストリーミングを比較してみる。

※Pogoplugの項に間違いがあったので修正しました。

現在のiPhone/iPod touch/iPadは、最大でも64GBしかストレージがない。まして、アプリを入れることを考えたらとうてい足りない。

そんな時に試してみたくなるのが、音楽をネットワーク経由で聴くサービスだ。大まかに分けると(インターネット)ラジオなどのストリーミングサービスを聴くものと、自分のライブラリを聴くものがある。ここでは後者のうち、実際に使ったことがあるものだけを並べて比較してみた。

モノとしては
(1)Audiogalaxy
(2)Google Music Beta
(3)Pogoplug
(4)iTunesライブラリ共有
の4つ。

これらに共通のメリットは、なんといっても音楽にストレージ容量を食われなくて済むこと。デメリットは、何かしらの通信手段が必要になること、通信状況によって音飛びしたりする可能性があること、バッテリー消費が普通の音楽再生より激しいこと、iTunesライブラリ共有以外ではプロテクトの掛かったAACファイル(拡張子m4p)が再生できないことなど。

正直なところ、誰にでもお勧めというわけではない。自宅に膨大なライブラリがあってiPod classicでもぜんぶ持ち歩けない! なんていう場合は検討する価値はあるが、ライブラリの容量によっては音楽専用プレイヤーを使う方が幸せになれそうだ。
たとえば、最近のiPod nanoはかつてのshuffleぐらいのサイズで16GBモデルがあるし、iTunesのオプションで128kbpsに変換すれば16GBでもかなりの曲数が収まる。m4pが無いならiTunesを使う必要性も薄れるので、SONYやCREATIVEのプレイヤーという選択肢もありだろう。

というわけで前置きはこのぐらいにして、比較してみよう。

(1)Audiogalaxyhttp://www.audiogalaxy.com/
AG Entertainmentが提供するストリーミングサービス。現在はベータ版で、サービス、アプリともに無料。
音楽データを入れたマシンで専用アプリを起動しておくと、Audiogalaxyのサーバを中継してWebブラウザやiOS/Androidアプリで聴くことができる。

利点
・Audiogalaxy側に音楽ファイルを保存するわけではないので、アップロードの手間が掛からない。曲のインデックス作業が終わればすぐに聴き始められる
・iTunesのライブラリ管理ファイルを読み込むので、iTunesのプレイリストがAudiogalaxyに反映される
・Apple Losslessに対応している(Google MusicおよびPogoplugは非対応)
・iOSネイティブアプリが割と安定している
・3G回線でもあまり途切れずに聴くことができる

難点
・ストリーミング元となるPCの電源を入れっぱなしにしておく必要がある
・日本語タグやファイル名が(以前よりずいぶんマシだが)たまに化ける
・ストリーミングしやすいようにエンコードし直しているらしく、音質がちょっと微妙。高音質オプションをオンにすればかなり改善するが、通信状況によっては音飛びする

結論:音質とトレードオフにはなるが、現状もっとも安定している。自宅に常時電源オンのマシンがあるならお勧め。

(2)Google Music Betahttp://music.google.com/
おなじみGoogleが提供するクラウドストリーミングサービス。現在はベータ版で、サービス、アプリともに無料。現在は米国以外からの申し込みは受け付けていない……が、ユーザーから招待された場合は登録可。また、米国プロキシを通してアクセスすれば招待申請も可能。

音楽データをGoogleのサーバにアップロードし(2万曲、1曲あたり250MBまで)、WebブラウザやAndroidアプリで聴く仕組み。アップロードにはMusicManagerというツールを使う。

利点
・ファイルを丸ごとアップロードするので、ローカルのマシンは関係なくどこからでも聴ける
・Audiogalaxyより音質が良い(元ファイルをそのままストリーミングしている?)
・iOSデバイスでWebアプリを使うと、ちゃんと音楽アプリと認識されるのでリモコンでコントロールなどもできる

難点
・登録にトリックが必要なことや、曲を丸ごとアップロードすることから法律的に日本ではグレーと思われる
・iPhone/iPod touch向けのWebアプリが無いので使いにくい(ジャンル的に、Appleがネイティブアプリを許可するとも思えない)
・Webアプリは初代iPadだとメモリが足りない感じの動作なので、ブラウズしながら音楽を聴くにはちょっと辛いかも

結論:ネイティブアプリがあるAndroidならお勧めかもしれないが、iOSユーザーにはさほどメリットがない。

(3)Pogoplughttp://pogoplug.com/
Cloud Enginesが提供するクラウドストレージサービス。音楽がメインではなく、動画や写真、書類などさまざまなファイルを置ける「パーソナルクラウド」を作るというものなので他とは少し毛色が違う。Pogoplugという専用ハードウェアを買うか、フリーミアム式のソフトウェアをPCにインストールしてサーバにすることで利用できる。ちなみにプレミアム版にアップグレードすることで、PCからの音楽や動画のストリーミングが可能になる。

利点
・音楽以外のファイルも扱える
・書類や写真などを簡単に共有できる
・ストレージ容量を気にする必要がない
・ファイルをリモートサーバにアップロードする必要がない。Pogoplugハードウェアなら常時起動でもPCよりは省エネ
・iOS/Androidネイティブアプリが用意されている

難点
・回線速度=プロバイダの速度なため、遅い
・プロバイダの規約によっては使えない
・iPadアプリが使いにくい(落ちる、ID/パスワードを覚えてくれないなど)
・動画の画質はあまりよくない
・音楽と動画のストリーミングを使うには、9800円のハードウェアか29ドルのプレミアムライセンスが必要(ライセンスは1つ買えば複数台にインストール可)

結論:自宅にDropboxがあるようなもの。音楽や動画以外の用途の方がお勧め。音楽のために選ぶのは止めた方がいい。

(4)iTunesライブラリ共有http://www.apple.com/jp/itunes/
iOS4.3から可能になった、同じローカルネットワーク上のマシンにあるiTunesライブラリにアクセスできる機能。Windows/Macでの「ホームシェアリング」に当たる。利用にはApple IDが必要。

利点
・iTunesとiOS標準のiPodアプリで使えるので、別途何かをインストールする必要がない
・ライブラリ全体にアクセスでき、プロテクトされたファイルや動画ももちろん再生可能
・音質も問題なし
・iTunes 10.4で、リモートマシンからの再生回数も反映されるようになった

難点
・今のところローカルネットワーク専用で、インターネット越しに使う手段がない(VPNでもダメらしい)
・ホームシェアリングをオンにして、マシンおよびiTunesを起動しておく必要がある

結論:自宅でくつろいでいる時に、iPadでブラウズしながら音楽を聴くならこれ一択。特にiPadがWi-Fi版で滅多に家から持ち出さないなんて場合に。

まとめ
どれも一長一短な感じで、これひとつでOK! というのはなかなかない。
自分の使い方としては、自宅ではiTunesライブラリ共有、外ではAudiogalaxy。動画はほとんど見ないのでこれで十分。Pogoplugは主に人へのファイル受け渡しや書類の保管場所として使っている。Google Musicは今後の展開に期待、という感じ。

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