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リアリティ・ディストーション・フィールドはやっぱり強い。

 iPhone 4の“アンテナゲート”問題についてのプレスカンファレンスが日本時間17日午前2時(現地時間16日午前10時)にスタートし(ビデオはこちら)、iPhone 4ユーザーであるところのぼくもEngadgetのライブカバレッジをずっと追いかけ、先ほど公開されたビデオで確認した。
 詳しい内容は他のブログやニュースでも取り上げられているので省くとして、ちょうど昨日「スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン」という本を買って読んだばかりだったので、ジョブズのプレゼンテクニックの方がむしろ気になった。

 気になった理由は三つ。

 一つ目は、このイベントがいつものカンファレンスやWWDC基調講演などと違って、ここ数年はとくに好調なAppleには極めて珍しい「釈明」のためのものであり(実際はそんな感じが微塵もしなかったが)、どう転んでも喜ばしい話になりそうにないはずだったわけで、いつもと違うパターンが見られそうだと思ったこと。

 二つ目は、(おそらく全面リコールはなさそうだ、という個人的感触のもとで)このアンテナ問題についてどう説明をつけるつもりなのか疑問だったこと。

 そして三つ目は、緊急会見ということでどの程度ジョブズが準備できていたのか興味があったこと。

 結論から言えば、「スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン」に書かれていたことと照らし合わせてみて、この記者会見も限られた時間の中で練られたものだと感じた。

 上に挙げたビデオやライブカバレッジの記事(Engadget本家)を読んでいただきたいところなのだが、気になったポイントは

・iPhone Antenna Songのビデオを流して“つかみ”はOK。と同時に「問題を認識している」というアピールも兼ねていた?

・まず、iPhone 4は各誌で評価されたNo.1のスマートフォンであることを強調し、問題を22日間かけて調査したことを報告

「我々は完璧ではない。我々の電話機(iPhone)も完璧ではない」これが今回の会見のキーとなるテーマだったと思われる(キーワードは繰り返す

・「iPhone 4固有の問題ではない」と、BlackBerry BoldやHTC Droid Eris、Samsung Omniaなどを引き合いに出して、アンテナ感度について証拠写真を見せながら比較(ビジュアルに見せる

・iPhoneのラボテスト環境を見せて、努力していることを強調

・AppleCareに来たアンテナ問題での問い合わせが0.55%とごくわずかであること、返品率が3GSの1/3であることなど、「アンテナ問題はごくわずかのユーザーにのみ影響していること」を強調

・その上で、「我々はすべてのユーザーに満足していただきたい」と、ケースを無料配布することを発表(ちなみに純正バンパーだけではまかないきれないとのことで、他のケースも対象商品になるらしい)

・アンテナ問題と並んで話題になっている近接センサーについては、ソフトウェアアップデートで対応することを発表

 まとめると

(1) iPhoneは素晴らしいが、パーフェクトではない問題があることは確かだが、それは携帯電話すべてに共通する問題だ

(2) ほとんどのユーザーには満足してもらっている

(3) だが、すべてのユーザーに満足してもらいたいからケース配布やOSアップデートなどの努力を続ける

ということを、データを用いて丁寧に説明し直したという感じだ。
 口さがない言い方をすれば、「iPhoneだけの問題じゃないしほとんどの人はiPhoneに満足してる。でも気になるならケースあげるよ」ということなのだが、一部の噂になっていた全面リコールを避け、批判をかわしてうまいところに着地したように感じてしまった。

 ビジュアルを多用し、シンプルなスライドで話者に集中させる。
 数字は効果的なポイントで出す。
 キーポイントは繰り返す。
 何よりiPhone 4が素晴らしいものであることを心から信じる。

 なんだかんだで、「~驚異のプレゼン」に述べられていた特徴をきちんと押さえた、ジョブズのプレゼンだったと感じた。

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