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こんにちは、モバ(@yubile)です。
iPad miniと第4世代iPad、そして新しいiMacにMac miniに13インチRetina MacBook Proといろいろ出ましたね。さらにAmazonからはKindleストアのサービス開始と、Kindle Fire HD 16GB/32GB)、Kindle Fire、Kindle Paperwhite (3G /Wi-Fi)のKindleハードウェア発売も発表されました(ちなみにPaperwhiteの3Gモデルを即予約したので、入手しだい「非自炊的電子書籍生活」シリーズでやりたいと思っています)。
iPad miniは期待されていたよりスペックが低かったことを残念がる声もあるようですが、第5世代iPod touchのサクサクぶりからして、解像度が近いiPad miniも普通に使う分には快適なのではないかと思います。やたらとNexus 7をくさすプレゼンだったのは、対抗意識(むしろ危機感か)の表れだったんでしょうか。
それよりも、第3世代iPadがあっという間に型落ちしたのが無念です。まあ、ぼくの使い方なら第3世代でも処理が遅くて困ることはたぶんないので問題ない、と自分に言い聞かせることにします。てなわけで、今回のiPadとiPad miniは見送り、第2世代iPad miniが出るであろう来年秋まで待つ予定です。……まあ、店頭で実物に触ったら衝動に負ける可能性もなきにしもあらず、ですが。
さて、今日のネタはKOSSのヘッドホン”PortaPro“(通称ポタプロ)のMade for iPod/iPhone/iPadバージョン、”PortaPro KTC“です。
手持ちのヘッドホンで総選挙をやったら間違いなくセンター(でも電車やバスで使うのは勘弁な)、というぐらいお気に入りなPortaProの、リモコンマイク付きバージョン。リモコンを挟むと音質に影響が出るという話もありますが、その辺どうなのよ? ってことでレビューしてみます。なお、PortaProの製品情報はこちら。
PortaProは1984年発売という長い歴史を持つオープンエア(開放型)ヘッドホンで、個性の強いKOSSのヘッドホンの中でもひときわ中毒者が多い一品だ。
特徴は
- ノリがよく、中毒性が高い音
- 頭への負担が少なく、長時間着けていられる
- ユニークなデザイン
- 交通機関には向かない
といったところ。「KOSSの暗黒面(ダークサイド)」「お前がKOSSを選ぶのではなく、KOSSにお前が選ばれる」というジョークがあるぐらい、ハマるとファンになる。
ぼくもかれこれ6〜7年ほど愛用しているが、これで音楽を聴いていると身体がいつの間にかリズムを取っていたり、かつてのiPodのCM並みに踊り出してしまった挙げ句、家族に見られて気まずい思いをしたことがある。ちなみにそんな経験をしたヘッドホンは今のところPortaProだけだ。
紙箱のパッケージを開けると(余談だが昔はいかにもアメリカ製品っぽいブリスターパックだった)、本体とポーチと説明書が入っている。このポーチがくせ者で、キレイにしまえるようになれば一人前のポタプロ使いと言われるぐらいやりづらい。ポーチは変わらないようだが、以前は付属していたステレオミニプラグから標準プラグへの変換アダプタがなくなったり、L字だったプラグがストレートになったりと、細かい部分では変更がいくつかされているようだ。
また、見てくれは全体的にレトロフューチャーというか、独特の存在感を放つユニークなデザインだ。いつかのSONY MDR-ZX650と同じく、これをファッションとして着こなすセンスはぼくにはない(でも、似合っているかいないかは横に置いて使いたくなるヘッドホンなので気にしないことにしている)。
ヘッドバンドはシンプルな構造で調整もしやすいが、髪をときどき挟んでしまうのが難点。側圧を三段階で調整できるが、もともとそんなにキツくないのであまり使う機会はない。畳むことができるが、畳んでポーチに入れておくといつの間にか外れて広がっているのがお約束。正直あまりこのあたりの使い勝手は良いとは言えない。
音質はあちこちでさんざん語り尽くされているが、豊かな低音(ただしサイズの関係か本当に低い音はさほど出ていない)、埋もれない中音(量が多いのではなく音が近い)、意外と出ている高音(あくまで意外と、だが)が絶妙なバランスになっていて、聴いていてとても楽しい。ポータブルアンプなしに迫力が出ることもあって、ウォークマンよりもiPodと相性が良い組み合わせだと感じる。
シンプルなオープンエア(開放型)ヘッドホンなので、基本的に遮音性については期待してはいけない。やろうと思えば音楽を聴きながら人と会話することも可能なレベルだ。音漏れも大きい。なので、公共交通機関などうるさい場所では外の音に対抗して音量を上げる→音漏れも増加という迷惑極まりない事態になるため、まったくお勧めできない。
なお、以前から使っているリモコンなしのものと比べて、断言できるような音質の違いは感じられなかった。iPod+PortaProで使っているなら、そのままスムーズに移行できる。ポータブルヘッドホンの割に音量が少しとりにくい(iPod touchで最大音量の6〜7割程度が必要)なのも変わりない。
ちなみに、マイクの感度は問題なし。通話相手からも特に声が小さいなどの苦情はなかったし、Siriも普通の声量でちゃんと認識してくれる。
さて噂のKTCだが、これはKoss Touch Controlの略とのこと。といってもたいそうなものではなく、iPhoneやiPodに対応した3ボタン式のリモコンだ。音量ボタン2つと再生/停止ボタンで、再生ボタンのダブルクリックで1曲送り、トリプルクリックで1曲戻しという基本は純正リモコンとまったく同じだ。ちなみに再生ボタンを長押しするとSiriが起動する(iOS 6.0のiPhone 5と第5世代iPod touchで確認)。また、ダメ元でNexus 7にも差してみたが、当然のようにリモコンは使えなかった(マイクは未確認)。
結論から言うと、リモコンの存在は便利ではあるが、使いにくい部分があってイマイチ評価できない。
(1)すべてのボタンがほぼ同じ高さと形状であること
リモコンを触ってボタンを確認する1ステップがどうしても必要になる。できれば再生ボタンには突起が欲しかった。
(2)リモコン部が円筒状であること
指で摘んだ時に向きが一定になりにくいため、ボタンが指の下に来ないケースが多い。これもやっぱり修正のための1ステップを必要とする。
(3)ボタンを押したかどうかが分かりにくい
ダブルクリックしたつもりがトリプルクリック(あるいはその逆)だったり、単に再生が停止しただけだったりと失敗しやすい。せめて再生ボタンだけはしっかりクリック感を出せるようにして欲しかった。
というわけで、リモコンそのものはあまり良い出来とは思えない(カラーリングは本体と合わせてあって良いと思うが)。
マイクのために顔の近くに配置しなくてはならない関係上、ヘッドホンを着けたままだとリモコンはほとんど見えないはずだ。それでもスムーズに操作できるようでないと、使うたびにストレスが溜まる。この点、純正イヤホンのリモコンは(1)〜(3)をちゃんと考えた作りになっている。できれば改善を望みたい部分だ。
まとめ
単にマイク付きリモコンが追加されただけの、いつもの(?)ポタプロだ。音質やヘッドホンとしての使い勝手にはまったく変化はない。ただ、肝心のリモコンがちょっと残念なため、リモコンとマイクでプラス2,000円というのはポタプロファン以外にはちょっとコストパフォーマンスが悪い。
どうせリモコンはiPhoneやiPodでしか使えないので、無印のPortaProを買い、Appleデバイス用リモコン付き延長ケーブル(エレコムやSimplism、BELKINなどから発売されている)あるいは他のスマホ用リモコン付き延長ケーブル(これはオーテクを初めとして様々なメーカーから出ている)などを適宜買い足していった方が無駄がなくて良いだろう。
いっそのことMW600やDRC-BTN40、あるいはAT-PHA05BTなどのBluetoothオーディオレシーバと組み合わせれば、スマホのみならずパソコンでも使えて便利だ。
ポタプロそのものについては、そこそこ安く楽しく音楽を聴きたいという向きにぜひとも一度は試してみて欲しいヘッドホンであることは間違いない。散歩の時、夜中に自室で音楽を楽しむ時などにはうってつけだ。