さらに再生機器が増えた我が家のモバイルビデオ環境。

 過去に何回か記事にした(これとかこれとかこれとかこれ)、FriioとMac miniを中心にした半自動録画環境。予約更新のためのmAgicAnimeをたまにアップデートするぐらいで、それなりに安定した環境で録画できている。

 一方、再生環境は安定しているようで安定しない。PSP+PS3は対応フォーマットの幅が広くて扱いやすいが、最近はPS3の電源を入れることがそもそも少なく、動画をPSPで見るためだけにPS3を起動するのもどうかという気がし始めた。また、PS3は小型化してマシになったとはいえ、発熱量もファンの音も決して小さいとは言えない。

 そこで、いかにも動画に強そうなiPad、そして話題沸騰のiPhone 4と立て続けに新しいデバイスを購入したのをきっかけにビデオ再生環境を模索してみた結果、あちこちで取り上げられているAir Video(リンク先はメーカーサイト)を使ってみることにした。

こちらをクリックするとiTunesストアへ

 Air VideoはiPhone用アプリ(iPadにも対応したユニバーサルアプリなのが良い)と、PC/Mac用サーバ“Air Video Server”が連携して動くビデオストリーミングシステムだ。
 まず、サーバにしたいPCやMacにソフトをインストールして起動し、共有したいビデオの入ったフォルダーを指定するだけ(ちなみに、iTunesのプレイリストも指定できるらしいが試していない)。パスワードがないと接続できないようにもできるし、ポート番号を指定することもできる。また、試していない上にβ状態の機能だが、インターネットからのリモートアクセスにも対応するようだ。

 サーバを設定したらiPhoneでアプリを起動し、左上の+ボタンを押してサーバマシンを探す。ローカルネットワーク上であれば自動的に見つけてくれるので特に困ることはない。あとはアプリからサーバを選べば、指定したフォルダー内の動画をリストアップしてくれる。数が多いと多少時間が掛かるのが難点だが、これは仕方ない。

 このAir Videoは単なるストリーミングサーバではなく、iPhone/iPadで再生できる形式に変換してくれたり、リアルタイム変換しながらストリーミングしてくれたりするのが素晴らしい。DRMが掛かったファイルは不可能だが、ほとんどの動画ファイルを再生できる。変換の画質も悪くないので、元が良ければ違和感なく楽しめる。また、ファイルがmp4やmovなどiPhoneで再生できる形式ならばそのままストリーミングするので、画質劣化はさらに抑えられる。

 何よりもうれしいことに、Friioで録画した拡張子.tsのTSファイルもリアルタイム変換で再生してくれる! MacだとVLCぐらいしか再生手段がなく、変換となるとほぼ絶望的だったTSファイルをそのまま扱ってくれるのは楽で良い。ちなみに地デジの録画をiPhone 4のRetinaディスプレイで見ると、精細感がある上にノイズが気にならないサイズなので非常に快適だ。

 PSP+PS3と比べてみると、
メリット
・画質は明らかにAir Videoが上(あくまでPSPと比較しての話。PS3で見られるならその方が綺麗なのは間違いない)
・録画用Mac miniにAir Video Serverを入れておけば一台で完結、DLNA対応NASも要らない
・DLNAではないので、NASやネットワーク上の他のマシンのフォルダなども指定できる(速度が問題になるかもしれないが)
・iPad版はTV出力もサポート

デメリット
・早送りや巻き戻しにどうしても時間が掛かる(特にTSファイルはサイズの関係かかなり待たされる)
・Air Video Serverがたまに反応しなくなったり、安定性に多少の不安がある
・DLNAと違って独自規格のようなので、メーカーに何かあるとそのまま終了
・HDサイズ動画の変換を手早く済ませたいなら、それなりのマシンパワーが必要(SDサイズならMac miniでも十分だが)

というあたりだろうか。
 アプリは無料版もあるが、有料版がわずか350円(サーバソフトは無料)なので、FriioがメインでiPhone/iPadユーザーという人にはなかなかお勧めだ。

iPhone 4でカメラ遊びに復帰

iPhone 3Gを買ってすぐの頃は、トイカメラ風アプリや写真加工アプリにハマった。
パンフォーカスで画素数も少ないiPhoneだけに、こういうアプリでエフェクトをかけるとなかなか味のある絵になるからだ。

ただ、メモリやCPUパワーの不足からアプリが遅かったり落ちたりすることも多く、その点はストレスだった。

iPhone 4は品不足だとかアンテナに問題があるなどいろいろ指摘されているが、多くのカメラ系アプリがまともに動くというだけで、個人的にはかなり嬉しい。


Camera+で撮影、加工。

— iPhoneから投稿

iPhone 4とラブプラス+の共通点を考える。

 6月24日、Appleから新型携帯電話“iPhone 4”、コナミからニンテンドーDS用ソフト“ラブプラス+”が発売になった。幸運が重なって、iPhone 4はソフトバンクオンラインショップ経由で25日に届き、ラブプラス+はスペシャルパックとプレミアムパック、そして通常版を1本ずつ発売日に入手することができた。
 巷では未だに品薄であり、ともに大騒ぎを起こしたこの2つについて、共通点を感じたのでいろいろと自分なりに考えてみた。

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・触れて楽しめる
 iPhoneは使いやすい、とよく言われる。それらしいところを触れば動くので、基本的な操作はマニュアルを読まずとも何となく使えるようになっている(とはいえ、初心者にはピンチやフリックなどがタップに比べて分かりにくいというのが個人的実感だが)。また、ハードウェアとソフトウェアを同じ会社が手がけていることによる一貫性、というのもよく言われる。
 そして何より、操作に対する反応では極めてアナログな「手触り」を大事にしており、サクサク動きつつも要所要所で手応えを感じさせるような作りをしているため、数値化できない気持ちよさを感じさせるのがiPhone、ひいてはiOSデバイスのうまい所だ(つまり、Appleが提示する「作法」に則りさえすればうまく行くようにできていて、逆にそれがイヤだと感じる向きにはどうも馴染めない)。

 一方ラブプラスは、ひと言でまとめれば「恋人と過ごす時間を楽しむ」のが主目的のゲームだ。ニンテンドーDSのタッチペンを生かして、触れると画面の向こうの女の子が反応を返してくれる。DSでよくぞここまで、と思うような細かい動きとフルボイスによって手触りを追求しているのだ。
 また、DS本体の時計と連動したリアルタイムモードを基本していて、彼女たちはそれぞれの生活を送っている。ゆえに、デートの約束は時間前にDSを起動しなくてはならなかったり、リアルの生活に寄り添ったプレイが求められる。どうしても辛いならゲーム内時間をズラすこともできるし、スキップモードという手も用意されているが、リアルタイムモードでなければ発生しないイベントなどもあるため、100%楽しもうと思うならやはりリアルタイムモードを選ぶしかない。これも、ラブプラスというゲームにリアルな「手触り」をもたらす要素のひとつだ。

 要するに、「何かすれば何か返ってくる(しかも直観的である)」点でよく似ていると言える。

・現実を拡張する
 どこでも持ち運べるiPhoneは、twitterなどのいわゆるミニブログ、あるいはbrightkite、foursquare、Gowallaなどの位置情報サービスと非常に相性が良い。セカイカメラのような文字通りのARももちろんあるが、twitterでのゆるい繋がりから始まるイベント、あるいはみんなでUstreamやTVを見てつぶやくこと、foursquareのチェックインでクーポンがもらえるキャンペーン(日本ではやっていないが)のようなものも、ある種の「現実の拡張」と呼べると思う。

 ラブプラスはiPhoneよりもっと進んでいて、すでにカレシ(ラブプラスプレイヤーの総称)が「デート」と称してDSを片手にあちこちに行く「エクストリーム・ラブプラス」なるものまで登場した。作り手の思惑を超えて、ユーザーが独自に生み出した使い方だ。
 そこでラブプラス+ではそれに応えるためか、「ご当地ラブプラス」というシステムが登場した。これは各都道府県のDSステーションに接続することで、スタンプラリーのように地元にちなんだ格好をしたヒロインたちのフィギュアがダウンロードできるというもの。もちろん一人で47都道府県を制覇するのは難しいので、このコレクションはDSのすれちがい通信などによっても交換できるようになっている。初代ラブプラスから搭載されていた「会話モード」(通信対戦の要領で接続すると、それぞれの彼女が自分の状況をしゃべり出す)と併せて、ユーザー同士が交流できる仕組みを用意しているわけだ。

 ちなみにラブプラスにはiPhone版もあるのだが(DS版とは違い、時計やカレンダーを搭載したアクセサリ集のようなもの)、これに搭載されたARカメラ機能を使うとヒロインたちを現実の世界に出現させたり、自分とツーショットを撮ったりもできる。最近のアップデートで獲得済みのご当地ラブプラスフィギュアも撮影できるようになるなど、iPhoneとDSを両方持っているといろいろ楽しめるようになっている。

 プロモーションも力を入れていて、TV Bros.など雑誌の表紙への露出、バレンタインデーにはARマーカーを仕込んだチョコを発売、ラブプラス+で追加された旅行イベントのために熱海の大野屋という実在の旅館とタイアップしたり、発売記念イベントではリアルタイムで動くヒロインたちを登場させるなど、より彼女たちの存在感を強調するような仕掛けを行っている。

 本来の意味とは少々異なるが、現実の生活を今まで無かった方向に拡張してくれているという点は共通していると思う。

・手堅く進化している
 iPhone 4は、一新したデザインについては好みが分かれるかもしれないが、CPUやメモリの強化、大容量のバッテリー、高解像度液晶、カメラ強化&フロントカメラ搭載、第2マイクによる通話品質向上など、地味ながら必要性も効果も高いスペックアップを果たした。おかげで何をするにも快適そのもので、iPhone 3G(昨年に発売した3GSではない)からの乗り換えはちょっと感動するレベルで違うが、だからといって2007年に初代iPhoneが登場した時ほどのインパクトがないことは確かだ。

 ラブプラス+はラブプラスにイベントや音声などを追加したものであり、プロデューサー曰く「シーズン2のようなもの」というべき存在だ。だが、前作で寄せられた声などを反映してか細かい操作上の引っ掛かりがいろいろ解消されているし、音声やモーションのパターン、イベントなどが追加されていろいろとできることが増えたおかげで、彼女たちへの感情移入がいっそうしやすくなっている。が、やはりゲームの根本はいっしょなわけで(あえてそう作っているのだろうが)、そういう意味でインパクトは小さい。

 「神は細部に宿り給う」というといささか大げさだが、細かい部分をしっかり作り込むと全体がよりリアルに見え、触れる喜びが大きくなる。どちらもその点をしっかり追求しているおかげで、この手のシリーズ物でありがちな「以前の方が良かった」と思うことが非常に少ない。これは非常に良いことだと思う。

・販売方法に問題あり?
 iPhoneは6/15に予約受付が始まったが、アメリカではAppleとAT&Tのサーバがダウン(しかもAT&Tは個人情報が漏えいする深刻なトラブルも発生)し、ソフトバンクもあまりの予約殺到ぶりに登録システムのエラーで手続きが止まるなどの事態が発生した。結局18日に予約をいったん締め切るが、それでも予約者全員には行き渡っていない(ちなみに、予約は24日に再開したそうだ)。
 一方で、少数かつ店舗限定ながら当日販売分が用意されたため不満の声も上がっていたようだ。工場を2倍稼働して先行リリースを5カ国に絞るなどそれなりに対策はとっていたようだが、それでも全然足りないのはAppleの予想以上に引き合いが多かったということなのだろう。

 ラブプラス+の販売についてはこちらの記事でも多少書いたが、その後に予約を受け付けたビックカメラはものの15分で完売、発売前日に抽選を行ったメッセサンオーには、各色2台合計6台の枠に1000人も集まったという。やはり需要に対してぜんぜん供給が足りないということだろう。ただ、iPhoneは待っていればいずれ手に入るのに対して、こちらは限定品なので(コナミと任天堂が再生産という英断をしないかぎり)もう手に入らないという焦りもあっての騒ぎだとは思う。

 どちらの場合もメーカー側の不手際ではあるが、作り手の予想を超えて大ヒットした証であるとも言える。

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 というわけで、取り留めない長文になってしまったがいかがだろうか。
 片や世界的大ヒットのデジタルガジェット、片や日本ローカルにコアなファンを持つゲームソフト、モノとしては似ていないのに魅力はよく似た点があるというのは、なんだか不思議な話だ。

iPadで(自炊ではなく)電子書籍を楽しむためのまとめ。

 日本でiPadが発売されてから3週間。電子書籍が無視できない勢力になりつつあるアメリカと違って、日本ではまだまだ始まったばかり。
 そんな状況下で最大限に電子書籍を楽しむにはどうすれば良いかということで、いろいろな方法を試してみた。

 なお、自炊(紙の書籍を裁断してスキャンすること)に関してはあちこちで扱われているようなので、あえて触れない(というより裁断機もスキャナも持っていないので触れようがないのだが……)。

 iPadで読書する方法は、大きく分けると(1)単体アプリ型、(2)ビューアアプリ型、(3)その他の汎用アプリ型の三つ。

(1)単体アプリ型
 毎号が単体のアプリとして配信される形式。iPadが登場する前から存在するタイプでもあるが、雑誌ではWIREDがiPad版を出して話題を集めた。日本ではOZ magazineやGQ、VOGUE、じゃらんなど、単行本では「もしドラ」「iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?」(どちらもiPhone版だが)や、京極夏彦「死ねばいいのに」、結城浩「数学ガール」などがこの方法をとっている。ボイジャーやYAPPAのビューアをベースにしたものが主流のようだ。

 1アプリ1冊である意味わかりやすいが、ホーム画面がとっちらかるのが難点だ。ただ、iOS 4になってアプリの最大登録数が増えたこと、フォルダ分けができるようになったことを考えると意外と問題にならないかもしれない(毎回整理する必要が出てくるだろうが)。また、アプリである以上Appleの審査を避けられないことから、書籍の内容によってはリジェクトされかねないという問題もある。ちなみに、そもそもAppleとしてはアプリ型の書籍はあまり推奨したくないという噂もある。
 とりあえず試してみたいというのであれば、「志高く 孫正義正伝」iPad版が現在無料で配信中なので読んでみることをお勧めする。ちなみにこれ、単体アプリ版の他に後述するボイジャー理想書店ビューアでも無料で入手することができる。ベースのアプリが同じなので読書体験としてはほぼ同じだ。
 また、期間内は毎日更新される講談社「南ア・ワールドカップ Daily Magazine」で雑誌タイプのアプリを体験してみることもできる。操作性はあまりよくないが、とりあえず無料だ。ラーメンWalkerの東京版横浜版なども無料配信されている。

(2)ビューアアプリ型
 共通プラットフォームとなるビューアが存在し、In-App Purchase(アプリ内課金)の仕組み、あるいはWebベースのブックストアと連携することで本を買わせるタイプ。iPad用にはApple純正iBooksの他に、AmazonのKindle、マガストアやVoyager Booksなどがある。電子文庫パブリは現時点ではiPhone用のみだがiPad用のリリースを控えているそうで、これも同種の仕組みだ。アプリは1つで済むので見た目はスッキリするが、現時点ではひとつのアプリで済むほどコンテンツの質も量も揃っていないというのが問題だ(それを言ってしまえばどれも同じようなものなのだが)。

 iBooksはページめくりが美しい上にストアが慣れたiTunes Store形式ということもあってぜひ使いたいのだが、Kindleともども英語の本ばかりなのが難点(ちなみにKindleも購入手続きはAmazon.comで行うのである意味よく慣れたインターフェースだ)。

 というわけで必然的にマガストアや理想書店ビューアに期待するわけだが、読みやすさという点では昔から電子書籍を手がけるボイジャーが一枚上手。これはマガストアは雑誌、理想書店は単行本中心(といっても6/20現在で9冊だけとラインナップは相当に貧弱だが)という違いもあるが、そもそも画像ビューアに毛の生えたようなマガストアアプリ(上述の雑誌系単体アプリに使われている)がショボすぎるともいえる。
 せっかく電子化するのなら、せめて文章はテキストデータを埋め込んで検索できるようにするなどの工夫が欲しいところ。また、雑誌にもよるがLite版と称して記事を削ったものしか売っていない場合もあり、アプリも本もまだまだ精進が足りない。

 ビューアアプリ型にはソフトバンクが手がけるYahoo!コミックやビューンなどがある。前者はとりあえず無料で読めるという利点はあるものの使いにくさや読み込みの遅さはマガストアなどと五十歩百歩だし、後者は月額制で読み放題というシステムが効いたのかサーバがダウンしてサービスが中止になっているため、どっちもどっち、といった感じだ。

(3)その他の汎用アプリ型
 i文庫HD(PDFやzipで固めたJPEGなども読める汎用性の高い青空文庫ビューア)、GoodReader for iPad(PDFビューア以外にも動画など含めて汎用性の高いファイルビューアとして機能する)、ComicGlass(いわゆる漫画zip向けのビューア)、CloudReaders(クラウド本棚機能をもつPDF/zip/rarビューア)、ePubリーダーとしてiBooksなどを使うことで、もう少しだけ快適な読書体験は可能だ。

 たとえばみんなで作るePubファイル投稿・共有サイトepubs.jpには無料ダウンロード可能なePub形式のファイルがいろいろと置いてあり、ここからダウンロードしてiTunesの「ブック」にドラッグ&ドロップすれば、次回の同期でiBooksの本棚に登録できる。ちなみに、一文字違いのこのサイトも、9月サービス開始予定のiPad向け電子出版を企画しているようなので期待して待ちたい。
 それから、電子書籍,電子出版の「でじたる書房」のように、PDF形式でダウンロード販売を行うオンライン書店も存在する。PDFで販売するオンライン書店は意外とあるのだが、Keyring PDFと呼ばれるDRM付きのもの(これはiPadどころかMacでも読めない)が多く、普通のPDFで販売しているところは貴重だ。ちなみに、GoodReaderはブラウザ機能を内蔵していて、これでアクセスして購入・ダウンロードまでできた。GoodReaderからは他の対応ソフト(i文庫HDなど)に受け渡すことができ、iPadだけで本の購入が完結するようにできるので便利だ。
 さらに、需要は限られるだろうが、DLsite.comのような同人誌のDL販売も使える。漫画にはPDFや、JPEGをzipで固めた状態で売っているものも多いので、好みに合うならば楽しめるのではないだろうか。

 全体的な印象として、権利のしがらみが少ない同人誌や、フットワークの軽いアダルト系には、iPadで対応できる形式のものがたくさん眠っていると感じた。できれば一般向けの書籍もこうして手軽になってほしいものだが、今の状況を見るとまだまだ無理そうだ。

 とりあえず思いつく限りまとめてみたが、やはり読みたい本があるなら自炊がいちばん確実という点には変わりない。ただ、まだまだいろいろ始まったばかりでもあるし、iPadは電子書籍以外にもたくさん楽しみ方がある。じっくりいじり倒しながら、もう少し見守ってみたい。それでもダメなら自炊セットを買うつもりだ。

iPadケースの本命?パワーサポート「Airジャケット for iPad(クリア)」

これまで、いろんな種類のiPadケースを求めて合計8種類のケース、あるいはカバーをを購入した。

iPadケースやカバー、6+2種並べて一気にレビュー。http://mobaphoto.blogspot.com/2010/06/ipad62.html

今回は、個人的本命とも思っていたパワーサポートのAirジャケットを買ってみたのでレビューしたい。

価格はパワーサポートの直販で3980円(税、送料、代引き手数料込み)。ジャケット本体の他に汚れを拭くクロスと、クリスタルフィルムがついてくる。なお、すでにアンチグレアフィルムを使っているのでクリスタルフィルムは使っていない。
パワーサポートのケースとフィルムは定番なのでさほどハズレはないと思うが、ミラーブラックのAirジャケットの件もあるので何ともいい難いところ。

背面のみとはいえハードタイプのカバーなのでちょっと気になっていたが、装着は拍子抜けするほどあっさりとできた。タイプの似たTUNEWEAR TUNESHELLやCAPDASE ソフトジャケットと比べるとかなり扱いやすい。
また、ヘッドホンジャックやスピーカー部分がTUNESHELLのように単なる切り欠きではなく繰り抜いたようになっているなど、作りの細かさを感じる。CAPDASEも同様の作りではあるものの、開口部が小さくて回転ロックスイッチへのアクセスがしづらいという難点がある。

いくら薄くて軽いとはいえ、さすがに裸のiPadと全く同じというわけにはいかない。ただ、いったん装着してしまえば気にならなくなるレベルだ。RadSleevz(上述の記事参照)にも装着したままギリギリ入るぐらいなので、スリーブタイプやバッグタイプのケースと組み合わせれば衝撃からの保護も何とかなるのではないだろうか。

Dockが使えないこと、せっかくの酸化アルミニウムの質感が味わえないこと(ただし、Airジャケットのポリカーボネートの質感は個人的には好みだ)を除けば、裸のiPadとさして変わらない感覚で使える。
価格は少々高い気もするが、やはり定番は強いと再認識した。

…さて、これまで買ったケースどうするかな。読者プレゼントでもやってみようか。

— iPadより

予約開始を前に、iPhone 4について総ざらい

去る6/7のWWDCで発表された新型iPhone「iPhone 4」。
日本を含む五カ国では6/24発売開始、6/15から予約開始となっている。

今回も(ひとまず?)ソフトバンクが担当することになっているようで、14日、つまり明日には販売方法、料金体系や支払額などについての詳細がソフトバンクから発表される予定だ。

というわけで、「初代iPhone以来の飛躍」とAppleが主張するiPhone第4世代、何がどう進歩するのかを気になる順に整理してみようと思う。iOS 4まで踏み込むと長くなるので、あくまでiPhone 4についてだけ。

(1) Retina(網膜)ディスプレイ
iPhone 4でもっとも気になるのは、従来の2倍の解像度(960×640ピクセル、326ppi)を売りにする新しいマルチタッチ液晶だ。
ただ、液晶のサイズはそのままのようなので、おそらくパッと見の印象はさほど変わらないのではないだろうか。高解像度の写真や、日本語の文章を表示させた時には違いが分かると思われる(基調講演でも日本のニュースサイトか何かをサンプルで出していた)。

かつてPalmマシンにハイレゾが登場しつつあった頃、日本語フォントが潰れずに表示されることに感動したのを思い出す。その感動にはすぐ慣れてしまったが、だからといって今さら従来の解像度にも戻れない、と感じたものだ。

だから、スティーブ・ジョブズが「一度体験したら戻れない」と述べていたRetinaディスプレイにはとても期待している。

(2) カメラ、iMovie、そしてFaceTime
画素数アップにさほど興味のなさそうなAppleにしては、500万画素はよく増やした方だと感じた。それだけA4とiOSの組み合わせによる処理速度に自信があるのだろう。
驚いたのは、センサーサイズが大きくなっていること、そして裏面照射型CMOSであることだ。どちらも光量が少ない時に威力を発揮し、何よりそのことをユーザーが意識する必要のない改良だ。どこでも持ち歩く分、普通のカメラより悪条件での撮影が多い携帯電話のカメラにはかなり貢献するのではないだろうか。
ちなみに、iPhone 4のカメラはセンサーが大きくなったせいか、3GSよりわずかに広角らしい。

そして、動画撮影も720pに対応するだけでなく、iMovieによって単なるカット切り貼り以上の編集環境を提供してしまった。
小さなiPhoneの画面でどこまで凝った編集をするか微妙に疑問だが、その場でパッと撮って軽くエフェクトをつけてYoutubeへ、という流れに夢が広がる人は少なくないのかもしれない。

そして、One more thingで紹介されたFaceTime。上手いなーとしみじみ思わせるPVは置いておいて、すべてオープンなプロトコルを利用しているとジョブズが強調していたのが印象的だった。
あくまで想像だが、Android、Windows Mobile、webOSなどに採用してもらうことでスタンダードになり、携帯電話キャリアに3G回線でのFaceTime利用を受け入れさせようという腹積もりなのではないだろうか。

個人的には、ぜひ日本でもFaceTime(あるいは同様のオープンなテレビ電話規格)が広まって欲しい。
テレビ電話機能そのものは、別に目新しいものではない。第一世代FOMAやビジュアルホンなど古くから日本にはあったし、今でも同様の機能はついているはずだ。
それがメジャーにならないで来たのは、ひとえに高額な通信料、そしてキャリアをまたいだ通話ができないことによって、「なんかスゴそうだけど滅多に使わない機能」に成り下がってしまっているからだと思う。

シンプルに言えば、「映像と音声がリアルタイムでやりとりできる電話って、”未来”だと思いませんか?」ということだ。

欧米では当たり前のように使われているSMSも、日本ではキャリアが壁を作ってしまったために大して使われていない(おかげで、コミケのようなパケット通信が大混雑するイベントでもSMSは届いたりするが)。テレビ電話までそんな風になってしまったら、間違いなくつまらない。

だいぶ話が逸れてしまったが、新型iPhoneについてはiPad同様のサクサク感、高精細ディスプレイ、性能アップしたカメラに期待しているというわけだ。3GSをスキップして耐えた甲斐があったと喜べる端末であることを切に願う。

— iPadから投稿

WWDCキーノートまであとちょっと。

今年のWWDCでは新型iPhoneの他に、OS X 10.7、Safari 5、Magic Trackpad(MagicMouseのトラックパッド版?)、新型Mac miniなどの噂が流れている。

個人的には、開発者向けイベントなので10.7やSafari 5の話はあり得そうな気がするが、果たして何が出てくるか。

WWDC 2010 基調講演は日本時間6月8日午前2時から開始予定。

— iPadより

iPadケースやカバー、6+2種並べて一気にレビュー。

 iPhoneでも理想のケース/カバーを求めていろいろ買った。人にあげたりほとんど使わなかったものを含めて20は超えただろうか。現在は、昨年12月にアクトツーから買ったelagoというメーカーのものを使っている。Airジャケットに近い形状で、Dockアダプタが付属していたりするのが親切だ。背面のロゴがかすれて消えるとは思わなかったが。

 さて、iPadでもやはりケース、カバーの類いは重要だと思う。なぜなら、薄さと何の取っ掛かりもない形状が持ち運ぶ時にとても不安を感じさせるからだ。

iPad用ケースx6
バブルラッパー for iPad
MOLESKIN Folio

 というわけでいろいろ買ってみた。あえてタイプが被らないようにいろいろ揃えてみた。シリコンケース、ポリカーボネートのハードタイプ、両者の中間のようなソフトタイプカバー、入れたまま使えるレザーケース、シンプルなスリーブ、はては封筒まで。当初の予定では6種類だったのだが、今日残りの2つが届いたので6+2としてみた。

(1) レイ・アウト フラップタイプレザージャケット(ブラック)
Ray-Out フラップタイプレザージャケット
 最初に買ったケース。レイ・アウトはiPhone/iPod touch用のケース類を数多く出しており、ぼくもこれまで初代touch用ケースやiPhone用のバッテリー内蔵レザーケースなどを買ってきた。
 フラップ部分を利用してスタンドのように立てることができ、横置きでソフトキーボードを使うのに便利。また、カード類(Suicaを想定?)やメモリーカードを入れるポケットがついている。ただ、バッグ代わりに出来るほど大きいものでもないし、あまり実用性はないような気もする。作りはしっかりしているが、その分重たいため、入れたまま使えるとはいってもシチュエーションは限られると感じた。また、出し入れを繰り返していたら液晶保護シートにキズが付いてしまった。

(2) RadTech RadSleevz Form-Fitting iPad Case (Green)
RadSleevz
 薄いメガネ拭きのような生地でできたスリーブ型のiPadケース。ギミックも何もないシンプルなiPad専用の袋だ。とても軽くて柔らかいので、使わない時は折り畳んでしまっておける。家庭やオフィスの中でちょっと小脇に抱えて移動するなんていう時は気軽で良い。ただ、ぴったりなので出し入れにちょっと手間取ることがあったり、相当薄いカバーでないと付けたまま入れることはできない(まあ想定してないんだろうから当たり前だが)。また耐衝撃性はほとんどないと思われる。クッション入りのノートPCスペースがあるカバンにiPadを突っ込むというような用途なら適していそう。

(3) CAPDASE iPad Soft Jacket 2 XPOSE
 CAPDASE iPad Soft Jacket 2 XPOSE
 シリコンほど柔らかくなく、ポリカーボネートほど固くもない素材で出来たソフトジャケット。“XPOSE”の名の由来はおそらく背面のアップルマーク部分が開いた作りになっているからだと思われる。固いわりに形状としてはシリコンケースに近いため、装着がちょっと大変。その分しっかりとiPadを包む感じはある。もともと付け外しをさほど考慮しない作りだからだろう。
 専用のスタンドが付属しているが、二段階の高さ変更ができて非常に便利。低い方はソフトキーボードを使うのにちょうどいいし、高い方はデスクに置いて動画や写真を見るのにいい角度。さらに、液晶保護シートや背面のアップルマークを保護するためのシートまで付いていてけっこう豪華。
 難点は、ケースと液晶保護シートのフチが干渉してしまい、せっかくの液晶保護シートが浮いたような感じになってしまうこと。さらに、ボリュームスイッチや回転ロックボタンが奥まってしまって押しづらくなること。普通のシリコンケースなら周囲が柔らかいので強引に操作できるが、このケースはなかなか固いのでそういうわけにもいかないところが不便。

(4) TUNEWEAR TUNESHELL for iPad
TUNEWEAR TUNESHELL for iPad
 iPhoneケースとしては定番ブランドのTUNEWEAR製背面カバー。薄く軽いため邪魔にならないのが最大のポイントで、ものによっては装着したまま入るケースもありそうだ。ただ、この手のカバーは長く使っているとどうしても傷や汚れが目立ちやすい。カラーが複数あるため好きなのを選べるのはポイントかもしれない。ちなみに液晶保護シート付き。
 最近は傷に強いコーティングを施したものもでてきているので(個人的本命は来週発売のパワーサポート Airジャケット。もちろん予約済み)、いずれ他のものとも比較してみたい。

(5) サンワサプライ iPadシリコンケース(クリア)
サンワサプライ iPadシリコンケース
 サイズのせいか全体的に価格の高いiPad用カバーの中では比較的安価なサンワサプライのシリコンケース。個人的に気に入っているのは電源ボタンとボリュームボタン、何よりホームボタンがカバーされていること。画面よりもホームボタンの指紋が気になる性質なので、iPhoneの時もホームボタンがカバーされるケースを好んで使っていた(今は、iPhoneにはホームボタン用保護フィルムを貼っている)。
 使用開始直後にちょっとゴム臭さというかシリコン臭さもあったがすぐ気にならなくなったし、この手の機械のカバーでは定番の素材ということもあって感触も悪くないのだが、シリコンだけにホコリがくっつきやすいことと、カバーが環境光センサーらしきものまで覆ってしまっていることが気になる。後者は実用上とくに困っていないので欠点とまでは言い切れないが、ホコリはどうにかしたいところだ。

(6) Simplism iPad用ナイロンスリーブケース(シンプリズムグリーン)
Simplism ナイロンスリーブケース
 ナイロン製の巨大なマジックテープ財布っぽいiPad用ケース。背面にファスナー式のポケットが1つある以外に凝ったギミックなどもなく、シンプルなスリーブタイプだ。適度な厚みとクッションっぽさもあるので、インナーバッグとして適しているように思える。あくまで持ち運びのケースであり、入れたまま使えるわけではない。

(7) リュウド バブルラッパー for iPad
バブルラッパー for iPad
 要するに、プチプチ入りでiPad専用サイズの封筒だ。他にKindle用などもあるらしい。価格が安く、もちろん軽い。ジョークアイテムのようなナリだが、意外と実用的だと思う。また、シールをぺたぺたと貼って簡単に自分仕様にできそうなので、たくさん買って遊ぶのも良さそうだ。耐久性は紙の封筒レベルだと思われるので、過信は禁物、といったところか。

(8) MOLESKIN Folio フォルダー
MOLESKIN Folio フォルダー
 iPad専用というわけではなく、A4の書類を入れるフォルダーだ。モバイルショップVis-a-VisでiPad用ケースとして売られていたので試しに買ってみた。写真はiPadを入れた状態で撮影したものだが、サイズ的にもぴったりだし、MOLESKINのたたずまいとiPadは似合うと思う。ビジネスバッグと合わせるには良さそうだ。
 気になる点は、A4対応の書類入れなので面積的にかなり広くなってしまうこと、耐衝撃性はもちろん皆無なことなどか。

 駆け足で8種類のケースやカバーについてまとめてみたが、個人的にはまだちょっと理想のケースは遠い。12日発売予定のAirジャケット for iPadもあることだし、もうしばらくはいろいろ買って試す日々が続きそうだ。

ラブプラス+本体同梱版をめぐる大騒ぎ。

 ラブプラス+プレミアムパックの争奪戦がひどい顛末だったことについては、こちらの記事で触れた。
 ぼくは運良くネネver.のプレミアムパックを予約することができたのだが、その頃に「デラックスパックを6/5に店頭で予約受付する」というソフマップアミューズメント館のツイートが情報として出回った(現在は削除されているらしい)。ちなみにデラックスパックとは、ゲームとDSi LL本体が同梱されたパッケージだ。こちらは一般のショップで売られる。プレミアムパックはコナミスタイル(直販)専用で、デラックスパックに種々のオマケが付いたパッケージ。今回の騒ぎはデラックスパックをめぐるものだ。

 すでに自分の分は確保済みなため不謹慎は承知だが、ありていに言ってしまえば「どのぐらい並ぶのか」ということに興味があった。モノがモノだけに地方の小さなゲームショップなどでは確実性に欠けるだろうから、おそらくアキバに徹夜組が出るだろうと予想していた。
 というわけでこの騒動の行く末を見届けたいと思い、twitterの#loveplusハッシュタグをここ数日ずっと追ってきた。

 そして事件は起きた。ソフマップアミューズメント館の不手際で大騒ぎになったらしい。2chに書かれた顛末のまとめをPosterousにひっぱってきたのがこれ(「ラブプラス+」同梱版が欲しい Part21)だ。

 どうも警官まで出動するような騒ぎになったらしいので、一時は相当な荒れ模様だったのだろう。店側の対応も(おそらく予約開始タイミングをツイートした所から)まずかったとは思う。ただ、これに関しては当事者でもないし現場にいたわけでもないので何とも言えない。
 ちなみに、予告をしていなかった秋葉原以外のソフマップ、あるいは他の店ではそれなりに順調に予約ができていたようだ。結果論だが、ソフマップに早々と見切りをつけて他の店に走る方が良かった場合もありそうだ。

 同じ頃、ジョーシン電機やイーデジなどあちこちの通販サイトで予約受付が行われ、大手ゲームショップが近くにない地方在住の購入希望者が殺到し、あっという間に終了したようだ。また、騒動の真っ最中にソフマップ.comでも予約が行われたらしい(あっという間に消えたので確認できなかった)。

 これらの顛末を見ていると、どうも情報を色々集めている人ほど逆にひどい目に遭っているように思える。前述のソフマップの件も、twitterで情報をチェックしている人が確実に予約したくて殺到したのだろうし、その後も通販などの噂が出回る度に、アクセスしたけど買えなかったという報告とともにその情報が流れてくるのを#loveplusでいくつも見た。逆に日本橋などでは拍子抜けするほど簡単に各2セットずつ(!)予約したというツイートもあり、どうにも運の要素が強かった気がする。

 コナミが、この騒動の大元であるオリジナルデザインのDSi LLを追加生産あるいは受注生産に切り替えるなどの方法をとれば収まりそうにも思うが、週明けにどんな対応をするのか(あるいはお詫びだけ出して何もしないのか)、要注目というところだ。

旅スナップカメラとしてのCyber-shot TX5。

 先月、福岡の親戚の家に行ってきた。
 持っていったカメラはK-7、EXILIM FC150、そしてCyber-shot TX5の3台。E-P1やCoolpix S10も持っていくつもりだったが、カメラの台数=充電器の台数、そして一眼の台数に比例してレンズの本数が増えることを考えて諦めた。

 目論見としては、最近生まれた赤ちゃんの写真をガシガシと撮り、その合間にヒマを見て温泉にでも行ってくるつもりだったのだが、あいにくの雨続きで予定が完全に狂ってしまった。結局行けたのは、秋月城址や柳川の御花、それから太宰府など。また、雨のせいでK-7を持ち出す気になれず(ボディは防塵防滴だが、手持ちレンズに防塵防滴がなかったため)、大半の写真はTX5によるものとなった。

 旅スナップカメラとしてTX5を考えた時、何よりもメリットなのは防水耐衝撃だ。雨の中でも気にせず撮れるし、旅の汚れも水洗いでサッと済む。擦り傷やアタリを気にしないのなら、そのままカバンに放り込んでしまえる気楽さは何にも替え難い。
 また、手持ち夜景モードや逆光HDRなどのおかげで、一人旅にありそうなシチュエーション(風景スナップ)をかなりカバーできるのもいいし、スイングパノラマの手軽さも楽しい(上手く撮らないと継ぎ目が気になる場合もあったが)。
 細かく設定をいじる余裕がない時はストロボ禁止だけ設定しておまかせオートも多用したが、写真にばかり構っていられない一人旅にはとても便利だと感じた。

 ソニーのGPSロガーGPS-CS1KSPも持っていっていたのだが、付属の画像管理ソフトPicture Motion Browser(PMB)でGPS情報を写真に埋め込むのもとても簡単だった。母艦にはFerrari Oneを使ったが、さしてパワーのないマシンでもストレス無く使えた所も良かったと思う。

 最大の難点はたぶんバッテリーだ。静止画だけなら、宿に戻った時に充電を忘れなければ大丈夫なぐらいではあるが、動画を撮るとなるとどんどん減っていくので予備バッテリー必須だ。ぼくは予備を持っていなかったのと、さほど動画にしたいものもなかったので、外ではほとんど撮らなかった。

 また、25mmスタートの広角レンズは写る範囲が広くて重宝したが、歪みが大きいため撮りづらいことも多かったし、4倍ズームだと寄れなさすぎて、足で稼げない所は撮るのを断念してしまうことも。まあ、この薄さ小ささで防水なことを考えたら贅沢な話でもあるし、逆にこのカメラならではの写真を撮ろうという気にもなれるから、そう悪いことばかりでもない。

 このサイズ、質量、デザイン、防水付き、撮影モードの面白さ、と考えると、旅カメラの選択肢の一つとしてかなりお勧めできると思う。ソニーにはぜひこの路線を継承して追求して欲しい。

Ankerの飲食店とな