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この記事を読んで、もう一度PSP goについて考えてみることにした。
ASCII.jp:時代を先取りしすぎた!? 「PSP go」買っちゃった|物欲AVコモノ道
気になった部分を引用してみよう。
“ゲームはすべてネット経由での配信となり、従来UMDで販売されていたゲームをプレイすることはできない。それでは従来のPSPを使っていたユーザーが購入済みのゲームをPSP goで遊べないということで、移行プログラムの提供が検討されていた。しかし結果的には権利処理の問題から提供できないということになってしまった。”
やはりUMDに関するケアは考えていたが頓挫したということらしい。
たとえば、UMDからISO化するにしても友達で貸し借りされたらコピーし放題。Bittorrentなどで出回るISOイメージがCFW環境下で遊べてしまう現状がさらに悪化すると、メーカーがためらう気持ちは分からなくもない。ただ、せめて(PSP goの良さである小型軽量を殺すことになっても)外付けUMDドライブを用意して欲しかったと思う。まあ、その場合PSP-3000で十分(CFWの動く中古のPSP-2000ならなお良い)ということになってしまうから無理だろうが。
でなければ、SCEがやるべきことはただひとつ、PSP向けDLゲームの拡充以外にない。理想を言えばこれまでのすべてのUMDゲームをDL化&今後出るすべてのゲームはUMD&DL版同時発売、なのだが、それがダメなら、せめて「DLでしか遊べないゲーム」をたくさん用意するべきだ。UMDのゲームに拮抗する魅力をDLゲームが持たなければならない。しかし困ったことに、そうなるとUMDもDLも両方遊べる従来型のPSPが最高じゃないか、というオチになってしまうわけだが。
このあたりの事情を勘案すると、くだんの記事でも書かれていた通り、PSP goの無難な使い方は小型のマルチメディアプレイヤーということになる。
ゲーム用途から外れればボタンの小ささやちょっとした持ちにくさもさほど気にならないし、Bluetoothヘッドセットと組み合わせてワイヤレスでの音楽再生やSkypeなどは可能だし、ストレージは16GB内蔵だし、Media goというそれなりの管理ソフトも用意されている。
こう考えるとウォークマンよりお得なんじゃ……と一瞬思うのだが、その用途ならウォークマンXシリーズの下位機種(16GB)はFMラジオ、Wi-Fi、ワンセグ、ノイズキャンセリング付きでPSP goより安い。液晶も3.0インチで少し小さいとは言えタッチパネル。Bluetoothこそないものの、そもそも音質という点ではBluetoothはまだまだだし、ウォークマンやPSPでSkypeする人がどれだけいるのか正直疑問だ。
こうしてみると、少なくともハードウェア的にはウォークマンの方がずいぶんお得だと思う(SonicStageを使ったことがないのでMedia goと比べることはできないが、doubletwistというサービスを使えばiTunesのプレイリストとウォークマンやPSPを同期できるらしいのである意味同点だろうか)。
PSP goがウォークマンと差別化されているのは、皮肉なことにゲームというオチなわけだ。
ゲームではPSPに勝てず、音楽/動画プレイヤーとしてはウォークマンに勝てず。これ、PS2BBとDVDレコーダーが合体したけど単体PS2とDVDレコーダーでいいじゃん、という結末を迎えたPSXを彷彿とさせる。
1ユーザーとして、そんなサムい展開はなんとしても避けて欲しいものだが、さてどうなることやら。個人的には、次世代PSPの発表とともにPSP goは忘れ去られると踏んでいるのだが。