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最近、箱○ことXbox360に興味が湧いてきた。いや、もともと興味はあったのだけど(ランブルローズXXとDoA4&DoAビーチバレーの頃から)、何となく買う踏ん切りがつかないままここまで来てしまった。
と、タイミングの良いことに9月11日に値下げされることが最近発表された。中身もシュリンクされて発熱の小さくなった新基盤になっているそうだし、ドライブ音のうるささも、近くアップデートでHDDへのインストールを可能にすることで対応するらしい(これは同時に故障率を改善することにも繋がりそうだ)。
これはチャンスかもしれない。
いわゆる「次世代機」(すでに出そろっているので現世代機と呼ぶべきなのだが)に関しては、とりあえずWiiを買ってあとは様子見ということでやってきた。HD対応機を買っても、家にハイビジョンテレビがない状況では宝の持ち腐れだと考えたからだ。何せつい最近まで、我が家にはプログレッシブ対応テレビさえなかった。が、北京オリンピック終了で少し安くなった液晶テレビをついに買ったことで状況が変わり、HDゲーム機をそろそろ買おうかなという気になったわけだ。
というわけでゲーム機ネタのついでに、最近のゲーム機戦争について見聞したことと考えたことをまとめてみる。
ぼくの個人的な印象は、
・Wii → 任天堂ゲームが遊べるだけで買う価値あり、ただし操作が疲れるものが多く、また一人で遊ぶにはちとつまらんモノが多い
・PS3 → 発売前から立ちこめていた暗雲を晴らせていない、このままフェードアウトしそう
・Xbox → 個人的にやりたいゲームが増えてきたし値段も下がったけれど、やっぱりまだゲーヲタ向けの印象は(日本では)ぬぐえない
だった。正直、Wiiが発売されてすぐのころは「日本では据え置き型全滅でDS大勝利」という結果になると思っていたのだが、Wiiの売れ行きを見るにまだ据え置き型はもう少し続くようだ。
それにしても、PS3はいったい何をどう暴走したらああなるのだろうか。
個人的には最初の価格発表で完全に買う気を無くした。どんな驚異の映像だろうと何だろうと、ソフトも出ていないゲーム機本体だけで5~7万を出せる人はそう多くない。マニア向け高級機路線を走るならともかく、あの値段でトップシェアを取ろうとし取れると信じていた人間がいたとしたら、まともな判断能力があったとは思えない。
その後も懲りることなく、値下げ、互換性排除、振動コントローラ別売、空飛ぶレースゲームことGT5プロローグ、ノンゲーム重視宣言など話題だけは振りまき続けてきたPS3だが、最近では頼みの綱だったFF13が独占タイトルではなく、Xbox360とのマルチ展開になってしまった。もっとも、FF13は何本かの関連作品を展開することがすでに発表されていて、そのうちFF13「ヴェルサス」はPS3独占らしい(正確には、以前独占と発表されてから変更されていない)。
正直なところ、PS3はとっくに詰んでいると思う。まだろくにゲーム画面も発表されていないFF13に期待しなければならない時点で死に体だ。今は撤退戦、在庫を売り尽くしてPSPに注力する(こちらもロクな状況ではないが、少なくともPS3よりはマシ)つもりなのだろう。
2chなどでは散々言われ尽くしている話題だが、SCEはもっと積極的に自前で(自社開発でなくとも)ゲームを出すべきだった。
任天堂がN64、GCとハード的には負け路線でありながら生き延びてこられたのは、任天堂のハイクオリティなゲームがきちんと出続けたからだ。セガサターンやドリームキャストだって、商業的には負けたかもしれないが今でも熱心なファンがいる。それはセガがきちんとおもしろいゲームを出し続けたからだ。
どちらのメーカーにも、「遊びを作る」ことを真剣に考えた姿勢が感じられたし、今挙げたハードはぼくも全部持っているが、どれにも「コレは遊んだなあ」という思い出のゲームが必ず2、3本はあるものだ。
ゲーム機とソフトはいわゆる「鶏と卵」の関係で、ハードが売れればソフトも出るし、ソフトが出ればハードも売れるというのが基本だ。だからこそ、まずはファーストパーティたるハードメーカーが積極的にゲームを出して、本体売り上げを牽引しなければならない。あるいは、開発コストを抑える工夫をして少ない売り上げでも利益が出るようにして、サードパーティが参入しやすい環境を整えなければならない。
任天堂は言わずとしれた世界トップクラスのゲームメーカー(&パブリッシャー)だし、マイクロソフトも日本ではあまりそのイメージはないものの、Windows用ゲームはもともとたくさん出していた立派なゲームパブリッシャーだ。
また、どちらもそれぞれのアプローチから、サードパーティが開発しやすい環境を整えた。
Wiiで使われているCPUとGPUは、ゲームキューブのものをほぼ単純にスペックアップした拡張版らしい。ゆえに、ゲームキューブの開発ノウハウをほぼそのまま生かすことができるとのこと。また、開発キットが約20万円で、小さなソフトハウスでもとりあえず手を出してみることができるぐらいの価格に抑えた。そして同時に、リモコンなど操作系の部分で冒険することで、アイデア勝負のゲームを作れる土壌を用意した。ぼくが見る限り任天堂以上にリモコンを使いこなしているメーカーはまだ出ていないけれど、そのうち誰かが壁を越えてくれそうな気はする。
Xbox360はPCゲームの開発環境との移行をしやすくすることで、1本のゲーム開発で2度美味しい状況を作った。ギャルゲー(エロゲー)以外のPCゲームがあまり流行らない日本ではなじめないが、PCゲームのメーカーが多い海外ではそのままノウハウを生かせるXbox360はとてもラクな環境なんだそうだ。
一方、PS3のCELLはとてもソフトの作りにくいCPUと言われている。作りにくくても底力があるのであれば、ハードメーカーであるSCEが率先してゲームを作るなり、環境を整えるなりすればいいのだろうが、SCE自身も相当苦戦しているようだ。現にもっとも期待されていたタイトルのひとつであるグランツーリスモ5プロローグは、昨年末の発売にはネット対戦環境が間に合わず、ようやく実現した対戦も制限が非常に多いうえに、リアルな挙動とグラフィックを売りにするはずの作品で車が空を飛ぶなど、惨憺たる有様だった。
ハードが高くて売れず、ソフトが作りにくいとなれば、サードパーティが逃げるのも当たり前と言えば当たり前。ただ、国内でさほど売れていないXboxで売るのもリスキーではあるし、Wiiで出すとなると最強ゲームメーカーの任天堂に正面から挑むことになるわけで、どのみちあまりラクではなさそうなのだが……
話を変えよう。
ポータブルオーディオの代名詞だったウォークマンが、10年の歴史も持たないiPodに負けた原因の一つは、PCとの連携ソフトを軽視したことにあると言われている。ハードの性能としては劣後するモノではないのに、ライブラリを柔軟に扱いやすく管理するための工夫に欠けていた(半分は著作権絡みで配慮しすぎたためだが)。そのため半導体オーディオそのものにはアップルより早く先鞭を付けていたにも関わらず、市場シェアとしては「その他」に入れられかねないぐらい弱い立場になってしまった。
根っこはどちらも同じ、ソフトを軽く見過ぎたツケなのだと思う。