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自炊の誘惑には勝てないなあと思いながらも電子書籍のDL購入に熱意を燃やす今日この頃。今回はインプレスダイレクトで電子書籍を買ってみた。 ちなみに買ったのは『できるポケット+』 Evernote 基本編+活用編 2点セット【PDF版/お買い得セット商品】だ。紙の本より定価が少し安いし、セット販売や値引き販売ができるのも再販制度のない電子書籍ならではだと思う。返品がきかないというデメリットもあるが。 さて、インプレスの電子書籍は会員登録後、欲しい書籍をカートに入れて支払い手続きを行い、その後もう一度書籍のページに戻ってダウンロードのリンクを押し、会員IDとパスワードを入力してダウンロードするという、ちょっとまどろっこしい方法で購入することになる。支払い手続き後のページから直接ダウンロードできればもっと楽なのにと思うが、eBook Japanのトランクルームシステムなんぞよりよっぽど良心的ではある。
購入にはWindows/Macが必要となっているが、おそらく支払いだけならiPadでも可能だろうし、ダウンロードに対応したブラウザを内蔵するアプリ(GoodReaderなど)でも大丈夫そうだ(試してはいないので保証はできないが)。 とまあ小さな不便を感じる所もあるが、インプレスの電子書籍がノンプロテクトPDFという点は大きい。いったん買ってしまえばPDF対応のいろんなデバイスで読むことができる。これはとてもありがたい。本当はePubのようにフォントだけ大きくすることができればiPhoneでも読みやすいのだが(それでもiPhone 4のRetinaディスプレイなら細かい字までいちおう読み取れる)。 インプレスという出版社の性格上、ラインナップがIT・技術系に限られてしまうのだが、読みたい本があれば買っても損はなさそうだ。今回購入したEvernote本は、イマイチ使いこなせてないと感じていたEvernoteプレミアムユーザーとして、なかなかためになったと思う。 閑話休題。 個人的に「電子書籍が紙の本を置き換えるというのなら、あらゆるデバイスで読めなくては意味がない」と思っている。もっと言えば、そもそもフォーマットが複数ある時点でおかしい。紙が耐えられる環境ならいつどこでも読めるし、紙が保つなら100年たとうが200年たとうが、著者が没して出版社がつぶれようが読めるのが紙の本だ。Amazonで買う本と紀伊国屋書店で買う本に違いなどない。 然るに電子書籍はどうかというと、フォーマットの違いで読める読めないが変わってくる時点で失格だ。ここでいう「フォーマット」はテキスト、PDF、ePub、AZW、XMDFなどだけでなく、iPhone/iPadアプリなども含めての話。以前iPadの書籍アプリについて書いたが、それらのアプリがたとえばOSアップデートで起動しなくなった場合、制作者が対応しなかったらもはや読めなくなる。作る側としても、雑誌アプリの古い号が起動しなくなったからといっていちいち修正するとは思えない。 そもそもプロテクト付きという時点でもうお話にならない。購入したストアやプロテクトの認証システムに何かあればおしまいだ。もともと電子書籍というよりソフトウェアの手法という気がするが、ソフトウェアはそもそも制作者とユーザーとのライセンス契約だから仕方ないのであって、書籍とは事情が違う。 前述のインプレスダイレクトはPDFというそれなりに読めるデバイスの多い形式をノンプロテクトで提供している点で、現状では最適解に近いと思う。 そう考えると、独自フォーマット+DRMという形のAmazon KindleやApple iBooksもよろしくないのだが、Kindleの場合は専用ハードウェアだけでなく、iPhone/iPad/Android/Mac/PCなどにリーダーアプリが出ていて、ライブラリや読み終えた場所を同期してくれる点は良心的だ。Appleはその辺がクローズドなのでいささか心配だ。せめてMac/PC用のリーダーぐらいは出すべきだと思うのだが……。 だがそれより気になるのは、シャープのXMDFだ。果たしてそのあたりを考えているのだろうか。ガラパゴスとして国内市場を確立できればまだマシな方で、結局まともに使えるのはシャープ製品と一部の携帯電話だけ、買い替えるといちいち認証が必要で一度に1つのデバイスでしか使えず、iBooksもKindleも洋書だけで漫画ぐらいしか読むものがなくて日本のユーザー涙目、とかいうオチになりはしないだろうか。 これは書籍に限った話ではないけど、ハナからタダで手に入れようとする奴を相手にするより、大多数の普通の人(ほどほどのプロテクトかつ適正価格で、購入手続きが簡単なら買ってくれる)に買わせることを考えた方が結局トクなんじゃないだろうか。アメリカでのiTunesストアの成功はそういうことではないのだろうか。
厳重なコピープロテクトは結局コストに跳ね返るわけで、せっかく在庫管理だとか初版部数だとかを考えなくて済む電子書籍の価格的メリットを自ら殺しているとしか思えない。
購入にはWindows/Macが必要となっているが、おそらく支払いだけならiPadでも可能だろうし、ダウンロードに対応したブラウザを内蔵するアプリ(GoodReaderなど)でも大丈夫そうだ(試してはいないので保証はできないが)。 とまあ小さな不便を感じる所もあるが、インプレスの電子書籍がノンプロテクトPDFという点は大きい。いったん買ってしまえばPDF対応のいろんなデバイスで読むことができる。これはとてもありがたい。本当はePubのようにフォントだけ大きくすることができればiPhoneでも読みやすいのだが(それでもiPhone 4のRetinaディスプレイなら細かい字までいちおう読み取れる)。 インプレスという出版社の性格上、ラインナップがIT・技術系に限られてしまうのだが、読みたい本があれば買っても損はなさそうだ。今回購入したEvernote本は、イマイチ使いこなせてないと感じていたEvernoteプレミアムユーザーとして、なかなかためになったと思う。 閑話休題。 個人的に「電子書籍が紙の本を置き換えるというのなら、あらゆるデバイスで読めなくては意味がない」と思っている。もっと言えば、そもそもフォーマットが複数ある時点でおかしい。紙が耐えられる環境ならいつどこでも読めるし、紙が保つなら100年たとうが200年たとうが、著者が没して出版社がつぶれようが読めるのが紙の本だ。Amazonで買う本と紀伊国屋書店で買う本に違いなどない。 然るに電子書籍はどうかというと、フォーマットの違いで読める読めないが変わってくる時点で失格だ。ここでいう「フォーマット」はテキスト、PDF、ePub、AZW、XMDFなどだけでなく、iPhone/iPadアプリなども含めての話。以前iPadの書籍アプリについて書いたが、それらのアプリがたとえばOSアップデートで起動しなくなった場合、制作者が対応しなかったらもはや読めなくなる。作る側としても、雑誌アプリの古い号が起動しなくなったからといっていちいち修正するとは思えない。 そもそもプロテクト付きという時点でもうお話にならない。購入したストアやプロテクトの認証システムに何かあればおしまいだ。もともと電子書籍というよりソフトウェアの手法という気がするが、ソフトウェアはそもそも制作者とユーザーとのライセンス契約だから仕方ないのであって、書籍とは事情が違う。 前述のインプレスダイレクトはPDFというそれなりに読めるデバイスの多い形式をノンプロテクトで提供している点で、現状では最適解に近いと思う。 そう考えると、独自フォーマット+DRMという形のAmazon KindleやApple iBooksもよろしくないのだが、Kindleの場合は専用ハードウェアだけでなく、iPhone/iPad/Android/Mac/PCなどにリーダーアプリが出ていて、ライブラリや読み終えた場所を同期してくれる点は良心的だ。Appleはその辺がクローズドなのでいささか心配だ。せめてMac/PC用のリーダーぐらいは出すべきだと思うのだが……。 だがそれより気になるのは、シャープのXMDFだ。果たしてそのあたりを考えているのだろうか。ガラパゴスとして国内市場を確立できればまだマシな方で、結局まともに使えるのはシャープ製品と一部の携帯電話だけ、買い替えるといちいち認証が必要で一度に1つのデバイスでしか使えず、iBooksもKindleも洋書だけで漫画ぐらいしか読むものがなくて日本のユーザー涙目、とかいうオチになりはしないだろうか。 これは書籍に限った話ではないけど、ハナからタダで手に入れようとする奴を相手にするより、大多数の普通の人(ほどほどのプロテクトかつ適正価格で、購入手続きが簡単なら買ってくれる)に買わせることを考えた方が結局トクなんじゃないだろうか。アメリカでのiTunesストアの成功はそういうことではないのだろうか。
厳重なコピープロテクトは結局コストに跳ね返るわけで、せっかく在庫管理だとか初版部数だとかを考えなくて済む電子書籍の価格的メリットを自ら殺しているとしか思えない。